1. パーキンソン病とは?
ふるえ、動作緩慢、小刻み歩行を主な症状とする病気です。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?
日本では、人口10万当たり約100名の患者さんがおられます。
3. この病気はどのような人に多いのですか?
発症年齢のピークは、50歳台後半から60歳台にあります。
従って比較的高齢の方に多いといえます。しかし、例外的に20歳台から発症する方や、
80歳を越えてから発症される方もあります。男女比は、日本では女性の方が長生きされるので、
女性の方が少し多いですが、発症頻度は男女同数です。
4. この病気の原因はわかっているのですか?
脳の中の黒質という部分の神経細胞の数が減ることが原因です。
ここの神経細胞は、突起を線条体という部分に送っており、またドパミンという物質を含んでいるので、
線条体のドパミンが減少します。これが色々な症状の原因と考えられています。
黒質の細胞が何故減るのかはまだよくわかっていませんが、
ミトコンドリア呼吸障害や活性酸素の生成増大が関与するのではないかと考えられています。
5. この病気は遺伝するのですか?
通常遺伝はしませんが、若年発症の方は、一部家族性に起きます。
6. この病気ではどのような症状がおきますか?
最初の症状は、手がふるえるか、足がでにくくなるか、
手先の細かい動作がぎこちなくなることです。
最初は一方の手か足にでて、だんだん反対側にも広がってゆきます。
中等症になると、姿勢が前かがみととなり、歩行は小刻みとなります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか?
線条体に入ってドパミンに変わるL-Dopa製剤、ドパミンの代わりをするドパミンアゴニスト、
ドパミンとアセチルコリンのバランスを直す抗コリン薬、ドパミンの分泌を促す塩酸アマンタジン、
脳の中でノルアドレナリンに変わるドプスがあります。
これらを組み合わせて使うのが現在のパーキンソン病の内科的治療法です。
その他に外科的治療法があり、ひとつは視床の一部を破壊する方法でふるえに効きます。
もうひとつは、淡蒼球を破壊する方法で、動作緩慢、歩行障害、L-Dopaの副作用である
不随意運動に効きます。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか?
薬が旨く効きますと、かなり長い間よい状態を保ち、就労や社会生活も可能です。
しかし、少しずつ症状が進んでゆく場合も少なくありません。
薬に対する反応は、患者さんによってかなり異なります。しかし、生命予後に対しては、
ほぼ天寿を全うできる病気です。しかし、骨折や肺炎を契機として寝たきりになることもあるので、
このようなことのないように注意して下さい。
情報提供者
研究班名 神経・筋疾患調査研究班(神経変性疾患)
情報更新日 平成15年09月24日
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